「日本人はやり込む」って、よく言われますよね。
サブクエスト全部埋めるとか、素材集めで何十時間とか。 言われてみればそんな気もするけど、実際どうなんだろう。
うちは Steam のレビューから「レビューを書いた時点でのプレイ時間」を集めています。 これは言語別に分けられるので、日本語レビューと全言語のレビューを比べれば、 日本人と世界全体の遊び方の違いが見えるはずです。
52作品で調べてみたら、思っていたのと少し違う結果が出ました。
短いゲームでは、びっくりするほど差がない
| 区分 | 値(倍) | 補足 |
|---|---|---|
| 10時間未満 | 1.03 | 18作品 |
| 10〜25時間 | 1.1 | 15作品 |
| 25〜50時間 | 1.38 | 13作品 |
| 50時間以上 | 1.38 | 4作品 |
52作品での検証値。Steam の公開レビュー(レビュー時点プレイ時間)の中央値を、日本語レビューと全言語で比較した。
10時間未満のゲームだと、日本人と世界平均の差はたった3%。誤差です。
「日本人はやり込む」という話、短いゲームに関してはまったく当てはまりません。 みんな同じくらいでサクッと終わらせています。

Portal 2
8時間で終わる短編。日本人プレイヤーの時間は世界平均の0.95倍で、ほぼ差がない。
ところが25時間を超えたあたりから、急に差が出ます。約1.4倍。
世界の人が40時間で終わらせるゲームを、日本人は56時間遊んでいる計算です。 16時間ぶん、どこかで寄り道しているわけです。

ELDEN RING
世界平均では約69時間。日本人プレイヤーの時間はその1.35倍にあたる。

サイバーパンク2077
世界平均では約40時間。日本人プレイヤーの時間はその1.42倍。
ただ、作品ごとのブレはかなり大きいです。 長編でも『グランド・セフト・オートV』は0.83倍、『レッド・デッド・リデンプション2』は0.95倍。 世界平均を下回っています。上の数字は、あくまで区分ごとの平均だと思ってください。
なぜ長いゲームだけなんだろう
正直、データからは理由まで分かりません。思いつくのはこのあたりです。
- 長いゲームは寄り道や収集要素が多いので、そこに時間をかけるかどうかの差が出やすい
- 短いゲームは「終わったら終わり」で、差が出る余地がそもそも小さい
- 日本で人気の長編ジャンル(RPGとか)が、もともとじっくり遊ぶ作りになっている
どれも推測です。断定はできません。 はっきりしているのは「短いゲームでは差がなく、長いゲームでは差が出る」という観測結果だけです。
あやうく間違った記事を書くところでした
調べている途中で、危ない落とし穴にはまりかけました。正直に書いておきます。
掲載作品を増やそうと思って、日本のストアの売れ行きランキングから作品を足したんです。 そうしたら同じ計算の結果が、長編で1.67倍、超長編で2.01倍まで跳ね上がりました。
「日本人は2倍遊ぶ」。書きたくなる数字です。でもこれ、事実じゃありません。
日本のランキングから集めれば、日本で人気の作品ばかり集まります。 そういう作品は日本人が中心的な遊び手なんだから、日本人が長く遊ぶのは当たり前です。
日本語レビューの比率で分けると、はっきりします。
| 区分 | 値(倍) | 補足 |
|---|---|---|
| 5%超 | 2.77 | 12作品 — 日本で特に人気の作品 |
| 2%以下 | 1.38 | 130作品 — 世界的な人気作が中心 |
同じ計算式でも、対象の集め方で結果が大きく変わる。この記事では偏りの小さい52作品の検証値だけを使っている。
集め方が、結果を作ってしまっていたわけです。
なのでこの記事の数字は、世界的な名作を中心に選んだ52作品の検証値だけを使っています。 派手な数字は出ませんが、こっちが本当だと思います。
各ゲームのページに載せています
作品ページには、その作品ごとの日本人プレイヤーの時間を併記しています。
全体の平均ではなく、その作品の日本語レビューから計算した値なので、 上のような偏りの影響を受けません。
「世界では40時間だけど、日本人の実感だと56時間」みたいに見られます。 買う前の予定を立てるとき、こっちのほうが役に立つはずです。
データ: Steam の公開レビュー(レビュー時点プレイ時間)。算出方法はこちらで公開しています。